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生野銀山の坑道内外をペットとウオーキング
兵庫県の中部にある「生野銀山」は、2017年に日本遺産に認定された1200年もの歴史ある遺産。
日本の有名な鉱山としては、島根県「石見銀山(いわみぎんざん)」や新潟県「佐渡金山」なども有名。
「石見銀山」はすでに世界遺産(※1)に登録されていて、「佐渡金山」も日本が推薦するリストに入っているらしい。
「生野銀山」もこれらに並ぶくらいの歴史と規模がある鉱山だから、一見の価値アリ!
ただ、世界遺産に認定されるには、いろいろ条件があるみたい。
その1つが『文明の、唯一の、または少なくとも稀な証拠』」という条件。
日本の鉱山はもう「石見銀山」が認定されているから、生野銀山は難しいのかな。
(※1)世界遺産・・・運営は世界機関のユネスコで、日本では2017年現在21件が登録されている。
この生野銀山、なんと構内だけでなく、坑道の中も、リードをつけて犬と一緒に歩くことができるのだ。
歴史遺産をワンコと楽しめるとあってさっそく出かけてきた。
生野銀山の概要
<住所>
兵庫県朝来市生野町小野33−5
<アクセス>
大阪より中国自動車道~播但連絡道路「生野ランプ」下車~一般道 合計約2時間
<駐車場>
無料(普通車210台)
<営業時間>
営業時間 :(観光坑道受付終了時間)
4月~10月:午前9:00~午後5:30(午後4:50)
11月:午前9:00~午後5:00(午後4:20)
12月~2月:午前9:30~午後4:30(午後3:50)
3月:午前9:30~午後5:00(午後4:20)
休館日:12月~2月の3ヶ月間のみ毎週火曜日
(火曜日が祝日の場合は翌日)
<入場料金>
閉館時間(受付時間)が早いので注意!
ワンコはタダだよ!
坑道内を一緒に歩こう
「生野銀山」とは--
室町時代に採掘が始まり、織田信長・豊臣秀吉の時代を経て、江戸時代には本格的に採掘された。
江戸時代には天領として統治されて、「石見銀山」や「佐渡金山」などと共に幕府の財政を支えていた。
そして、昭和48年までの間に掘り進んだ長さはなんと350km以上、深さは880mにも達し、採掘した鉱石の種類は70種にも及ぶ。
これって、だいたい新幹線の新大阪駅から静岡駅近くまでの距離なんだって。
地底でどんな苦労がくり広げられてきたのか、想像するだけですごいわ。
ただし、公開されているのは、この中のごく一部の全長1000m。
ほぼ40分くらいで回れる距離だよ。
では、坑道へ向かおう。
日曜のこの日、ペットを連れた観光客も数多く見られた。
まず、入口の門の手前にある料金所でチケットを購入。
ちなみに、料金所では、
「銀山ボーイズというキャラクターが、Uチューブにアップされているから見てね!」
と説明を受けた。
何のことだろうと思っていたが、いろんなところに置かれた「銀山ボーイズ」なるキャラクター人形を発見。
ちなみにコチラ↓が、銀山ボーイズたちが生野銀山をPRしている動画。
おそらく「地下アイドル」(笑)を意識したものと思われる。
美しい庭を通っていくと資料館が見えてくる。
資料館には、鉱山の立体模型や、銀山に関わる書画、鉱山で採掘された鉱石などが陳列されている。
じっくりと観察しながら回れば、「坑道がどんな構造をしていたのか」や「どのような体制で鉱石が掘られていたのか」などが分かってくる。
前もってこうした知識があれば、さらに坑道巡りが興味深くなるだろう。
でも、ワンコ連れのわたしたちは、今回ここはほぼショートカット。
資料館の先に、坑道の入口らしきトンネルが見えてきて、その横には小さい滝が流れている。
坑道の中は約13度ということで、わたしたちは上着をはおり、ノンも厚手の服に着替えて、いざ突入!
中に入ると、ヒンヤリしてきて、明らかに空気が違う。
壁を水がポタポタ流れているので、足元も濡れる。
坑道外にはペット用の足洗い場も設置されているが、泥水で犬の足がかなり汚れてしまうのは覚悟しておこう。
一度歩かせてしまうと抱きかかえるのはちゅうちょするのでご注意。
やっぱり、上着とスニーカーは必須だね。
でも何か探検しているようで楽しい!
そして、坑道の中でもいたるところで現れる 銀山ボーイズに驚かされて、まるでお化け屋敷を歩いているようだ。
銀山ガールズも!
坑道は少し狭く、行きの客と帰りの客とがすれ違うところもある。
しかも、わが家のワンコは、嗅いだことがない鉱石の臭いに興奮したのか、少々テンション高め。
暗がりでもあり、リードをしっかりとコントロールして他の観光客に迷惑をかけないようにしよう。
途中で爆破の疑似体験装置を見つけてトライしてみる。
爆破の様子はコチラ↓の動画でどうぞ。
(爆破が始まるまでちょっと時間がかかります)
ただ、疑似体験は思ったほどインパクトはなかったかな。
それよりもずっと迫力があるのは、目の前に見える、実際に深い割れ目が入った岩盤。
きっと命を落とした人も多いんだろうな。
途中で、祈願用の護摩木が1枚100円で販売されていて、願い事を書き込み奉納できる場所がある。
この護摩木は、毎年5月の最終日曜日に銀山駐車場で行われる大護摩大祭でご供養してもらえる。
ものすごいパワーを感じる地下空間。きっとご利益があるに違いないとわたしも家内安全を祈願。
坑道の地下エレベータは、深さ880メートル下まで達する。
880メートル下の暗黒の世界を思うと、背筋がスッと寒くなる。
巻上機という機械で運び出された大量の鉱石は、斜坑(傾斜している坑道)を通って地上へと送られる。
坑道を順路に従って回って行くと、約30~40分で出口に到着。
ワンコともども日常では味わえない別世界を満喫したせいか、あっという間の時間だった。
坑道外コースをお散歩しよう
生野銀山は、坑道内を観光するコースだけでなく、坑道の入口(坑口)を見ながら坑道外の散策コースも楽しめる。
少し上り道だけど、ペットの散歩にはちょうどいい往復30分程度の自然道のコース。
脇には綺麗な小川が流れていて、ワンちゃんの水遊びもできる浅瀬もある。
ところどころ脇に坑道への入口らしき穴が見える。
ここでも我が家のワンコはいつもよりテンションが高く、鼻をクンクンさせて臭っている。
わたしたちには分からない鉱石の臭いがするのだろうか。
生野銀山の「熟成酒」
ペットの足洗い場で足を洗った後に、レストハウスを通って園外へ出る。
有名なお土産としては、やはり「銀」の貴金属が目につく。
しかし、いつものように気になるのはお酒。
特筆すべきは生野銀山の「熟成酒」。
坑道の中は1年中、一定の湿度と温度が保たれるので、お酒を熟成させるのに絶好の環境なのだ。
坑道の中で熟成された日本酒だけでなく、焼酎や、梅酒、ワインなども手に入る。
レストランでは名物の「生野ハヤシライス」が食べられる。
このハヤシライスは、昭和30年代から40年代頃に、鉱山社宅で実際によく食べられていたらしい。
まとめ
今回は、1200年という歴史ある生野銀山の坑道をペットと一緒にウオーキングするという貴重な体験ができた。
年間通じて13度くらいらしいので、夏は涼しく、冬は暖かいのが嬉しい。
そして、ペットを歓迎してくれているので、きっと愛犬との楽しい思い出がつくれるはずだ。皆さんも是非一度足を運んでいただきたい。